読書の記録

アクセスカウンタ

zoom RSS 「メディアとプロパガンダ」ノーム・チョムスキー

<<   作成日時 : 2009/03/25 01:10   >>

ブログ気持玉 0 / トラックバック 0 / コメント 0

本書は1994年に廃刊となったLies of Our Timesという月刊誌に寄稿された批評であり、主としてアメリカのメディアが、何をどう報じたのか、また何を無視したのかを論じている。10年以上前の事件が取り上げられているために、話題としてはいささか旧聞に属する。何故このタイミング(2003年に発刊)でまとめられたのかは不明であり、現代の国際情勢に対する批評を求めるのであれば、他の著作を参照しなければならない。また、本格的なチョムスキーの批評とは異なり、短信を雑誌に投稿するというスタイルであるため、内容そのものを読めばやや浅い解析にとどまっているところもある。チョムスキーの指摘が正しいかどうかは、引用されている著作に当たらねば不明であるところは、丁寧な引用がなされているチョムスキーの他の著作と異なる点である。

しかしながら、上記の点を差し引いても、現代人が本書を手に取る価値はあるように思われる。10年以上前からアメリカのメディアは政府の方針をサポートする優秀な機関であり、自国の政府の政策に対する批判や論評は、あらかじめ設定された容認された振れ幅の範囲内で収まらなければならないという事実が冷徹に語られる。チョムスキーの文章は、為政者のメッセージが如何に矛盾に満ちており、また筋の通らない自分勝手なものであるかを読者に明示するために、為政者やメディアの表現をそのまま採用したり、あるいは恰もそれらに賛成するような意見(皮肉である場合も少なくない)を述べながら議論を進めていく。そのため、ややこしい構図でアメリカ政府が傀儡政権を樹立しようとしている場合などには、本当に意味不明の表現となってしまう。前半部分は、短信という性質もあり、チョムスキーを読む人たちにお馴染みの話題を、お馴染みの手法で切り取るというスタイルが採用されている。これでは、ファンサービスみたいなものではと思いつつ読み進めると、後半に移るに従って議論は丁寧に、また内容も分かりやすくなっている。

マスメディアの問題点が国内でも話題にされているが、10 年以上前のことを取り扱っている本書は、メディアの報道に私たちがどう接するかを考える上で重要な参考資料として活用できるだろう。

テーマ

関連テーマ 一覧


月別リンク

ブログ気持玉

クリックして気持ちを伝えよう!
ログインしてクリックすれば、自分のブログへのリンクが付きます。
→ログインへ

トラックバック(0件)

タイトル (本文) ブログ名/日時

トラックバック用URL help


自分のブログにトラックバック記事作成(会員用) help

タイトル
本 文

コメント(0件)

内 容 ニックネーム/日時

コメントする help

ニックネーム
本 文
「メディアとプロパガンダ」ノーム・チョムスキー 読書の記録/BIGLOBEウェブリブログ
文字サイズ:       閉じる