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個人的な読書記録と科学の話題です。過去のメモをもとに書いているときもあります。

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「疑似科学入門」池内了
著者はこれまでにも科学を対象とした議論に関する著書を上梓されているようであるが、私自身は不勉強で本書で初めての出会いとなった。疑似科学に関するネットの議論で「予防措置原則」あるいは「予防原則」という表現が登場することがあるが、本書における提言が含意されていることが分かった。そういう意味では、2008年の本書は既に議論の出発点として重要な著作として認識されているのかもしれない。 ...続きを見る

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2012/05/20 00:18
「偶然の科学」ダンカン・ワッツ
物理学者から社会学者に転身した著者は、現在コロンビア大学社会学部教授でかつヤフーリサーチ主任研究員である。スモールワールド・ネットワークに関する著書でも有名である。本書では冒頭からオールドスタイルの社会学者であれば目をむいて怒り出しそうな社会学についての著者の考え方が述べられるが、著者が自然科学の世界から転身したことをふまえればごく自然な発想であることが理解できる。社会学においては取り扱うべき要素の数や、関係は複雑すぎて、何らかの普遍的な法則を打ち立てることは原理的に難しい。著者は、自然科学の範... ...続きを見る

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2012/04/30 22:29
「「安全な食べもの」ってなんだろう?―放射線と食品のリスクを考える」畝山智香子
著者は既に「ほんとうの「食の安全」を考える―ゼロリスクという幻想」を執筆しており、食品の安全性についての一般向けの解説を著している。本書は原発事故を契機として緊急に企画されたことが巻末にも述べられているが、本書の方がむしろ良くテーマが消化されており、分かりやすいという印象をもった。被曝による発がんという軸がしっかり設定されているせいかもしれない。放射線の被曝と健康障害についてはネットを中心に様々な意見が拡散しているが、ネットの悪い特性である思い込みが強化されやすい構造が原因となって情報は分断され... ...続きを見る

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2012/04/17 01:36
「生命はなぜ生まれたのか―地球生物の起源の謎に迫る」高井研
長沼毅の対談本を以前取り上げたことがあるが、最近本業はどうなのだろうと心配するくらい続々と新作が発刊されている。どれも面白そうで、いったいどこから手を付ければいいのだろうという状態である。本書もよく似たテーマだなと思って手に取ると、著者は別の研究者だった。 ...続きを見る

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2012/03/31 23:37
「とんでもなく役に立つ数学」西成活裕
「渋滞学」という一般向けの科学啓蒙書としては極めて水準の高い著作で有名になった著者が、都立三田高校の学生12名を対象に、数学による問題解決の実例、手法、メリットを縦横無尽に講義した記録が本書である。高校生向けということで、具体的な例をたくさんあげることにより、わかりやすく数学的なアプローチの御利益が説明される。「渋滞学」を読めばOKという気もするが、より身近な例をあげて、解説の敷居を下げているので、こちらから読んでみるという選択も良いかもしれない。 ...続きを見る

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2012/03/19 00:33
「朽ちていった命―被曝治療83日間の記録」NHK「東海村臨界事故」取材班
現在進行中の福島原発事故では、政府には議事録は残されておらず、また東京電力は都合の悪い情報を隠蔽することにかけては国内で一、二を争う企業である。東京電力や一部の官僚は、どれほど批判されようがその方針を変える可能性は低く、虚偽の報告や発表をすることについても躊躇いがない。様々な事故調査が実施されているが、官僚と東京電力というタッグを打ち破ることは一筋縄ではいかないだろう。事故の記録を読むと、決死隊的な行動があったことや、現場の所長が死を覚悟したことが報道されている。一方で、現場で高線量を被曝した方... ...続きを見る

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2012/03/19 00:32
「人間臨終図鑑1,2」山田風太郎
著者が選んだ古今東西の人物を死亡時の年齢順に並べて、その死に際の様子を描いた異色の読み物である。世間での評価が高いことから読んでみることにした。自分自身が人生の折り返しを過ぎて、そろそろ終末についても関心が湧いてきたという理由もあるかもしれない。著者の小説については殆ど知らないが、エッセイについては非常に巧みで、読者を引き込む文章の力があることはよく理解できる。ただ、本書については世間での評価は些か高すぎるのではないかという印象も同時にもった。鋭い観察眼と巧みな文章力をもつ著者にとって、本書はア... ...続きを見る

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2012/03/01 23:05
「ほんとうの「食の安全」を考える―ゼロリスクという幻想」畝山智香子
ゼロリスクを望むことによるコストの増大や、ゼロリスクという考え方に潜む危険性という問題は、原発事故を通じて今までより多くの人々に認識されるようになったように思われる。BSEの際には行き着くところまで行くという結論から全頭検査が採用されたが、今回の放射能汚染ではさすがにゼロを求めることは不可能であり、どの選択肢を選べば一番被害が小さくなるかという複雑な課題に取り組まなければならない。本書やその後出版された「「安全な食べもの」ってなんだろう?」は、これまでよりもたくさんの人の目に触れる機会を得ている... ...続きを見る

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2012/02/08 22:13
「いかにして問題をとくか」G.ポリア(柿内賢信訳)
「発見学」に軸足をおいた1945年の著作であり、翻訳者の熱意により国内での出版が実現した数学書とのことである。”How to solve it”が原題であり、(数学の)問題に対する解答にどのようにしてたどり着くのか、どうすればそのような発見に至るのかについて、数式ではなく「言葉」で説明されている。対象とする「問題」とは数学の問題であり、条件に対する考え方や利用の仕方などの制限は「数学」の枠内であるが、より一般的な意味での発想法、解法の糸口のつかみ方を議論している点が評価の高い所以と思われる。帯に... ...続きを見る

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2012/01/28 18:12
「統計数字を読み解くセンス―当確はなぜすぐにわかるのか?」青木繁伸
MicrosoftやGoogleといった大企業においても重要性が意識されている統計学であるが、学問的にも人間の直観とは大きな乖離があり、特別に勉強する必要のある分野と言える。本書は統計リテラシーを高めることを目標に、専門家や科学者ではなく一般の人たちがどのような統計に対してもつべきリテラシーを醸成することを目的に執筆されている。 ...続きを見る

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2012/01/15 22:37
「金融が乗っ取る世界経済―21世紀の憂鬱」ロナルド・ドーア
著者は「経済の金融化」そのものが、現代において解決すべき問題であるという視点から本書を著している。経済学について門外漢である人間にとって、「金融化」が世界にもたらした福音が何であるのかを理解することは極めて難しい。経済成長に必要な資本を融通する「金融」を超えた「金融」の役割とは何なのか、またそれは誰のためにあるのかを考えると、先端的な「金融」の仕組みは富裕層への所得の移転、格差の拡大を主たる目的としているという結論に至らざるを得ない。こういう考え方は素人の意見なのだろうかと感じていたところに、本... ...続きを見る

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2012/01/09 22:20
「「科学的思考」のレッスン―学校で教えてくれないサイエンス」戸田山和久
専門的な科学知識ではなく、科学者であれば共通して身につけているロジックを非科学者に適切に伝えるにはどうしたらよいかという課題は、大げさな表現をすれば、民主主義的な意志決定の基盤として解決しておく必要がある。本書はその困難な課題に対する一つの素晴らしい答えになっている。たくさんの論点が整理されており、今後、同様の試みにトライする人たちにとって非常に参考になる内容が含まれている。 ...続きを見る

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2011/12/25 21:59
「御厨貴・東京大学先端科学技術研究センター教授に聞く【最終回】」池上彰の「学問のススメ」
「日本の小さすぎる「首相の器」をテーマに語り合う」という日経ビジネスの連載の最終回である。どの程度の反響が世の中であったかは分からないが、最終回では官僚予備軍としての東大生の問題点がよく取り上げられているように感じられた。由々しき問題が含まれているように思うのであるが、特に危機感をもったやりとりにはなっていないような印象ももった。 ...続きを見る

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2011/12/18 00:45
「一緒にやらないか(財務省)」から官僚制度の限界を考える
東京大学法学部という学部卒業レベルの学生が就職し、組織内で(または出向先で)教育を受けることにより形成されるものが官僚システムである。見逃せない特徴は、東京大学法学部出身者が圧倒的に優位を占めるというモノカルチャーな組織と、人材育成が官僚組織の影響を色濃く受けた場で進められるという自家中毒的な仕組みである。最近では東京電力の上級社員や、原子力安全・保安院(保安院というと何か国民の安全を考えているような印象を受けるが、「産業活動の安全確保」がその使命である)、原子力安全委員会といった方向でも、東京... ...続きを見る

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2011/12/09 00:10
「もうダマされないための「科学」講義」菊池誠、松永和紀、伊勢田哲治、平川秀幸、飯田泰之SYNODOS
SYNODOS は「アカデミック・ジャーナリズム」を旗印とする知の交流スペースという試みであり、ネットでの活動以外にもセミナーやレクチャーを開催する組織であり、「専門知」に裏打ちされた言論を発信することを目標としている。ともすれば誰も読むことのない紀要に論文を発表して業績として安穏としている大学人と、ひたすら露出量が増えることを目標に質の低い議論をばらまく知識人が相当な数を占めることを考慮すると、現代社会に関わっていこうとする姿勢は貴重なものといえる。一方で、後者と同様の単なる売名という批判や嫉... ...続きを見る

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2011/11/27 23:59
「プルトニウムの恐怖」高木仁三郎
本書は1981年に出版されているが、これは1979年のスリーマイル島事故、1986年のチェルノブイリ事故の間の時期に相当する。原子力技術についても説明のある本書であるが、現在読んでもそれほど大きな違和感は感じられない。むしろこれだけ丁寧にかつ冷静に原子力の問題点が述べられた新書が発刊されている日本において、福島の事故が起こってしまったことはきわめて残念なことと言わざるを得ない。東京電力や経産省をはじめとする官僚達や政治家の中には、本書を読んだ方もいくらかはいるだろうが、それが原子力政策を転換する... ...続きを見る

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2011/11/18 22:44
「サイエンス入門T」リチャード・ムラー
本書は、カリフォルニア大学バークレー校における学生が選ぶ「ベスト講義」の一つをベースにしたもので、YouTubeで公開された講義は大きな反響を巻き起こしたようである。この講義は文化系学生を対象としたものであるため、本書には当然のことながら化学式や数式は殆ど登場しない。おおよそ四則演算とべき乗くらいが計算できれば内容を理解することはできる。しかしながら、著者も文中で指摘するように、理系学生がサイエンスの原則的な項目を全て理解しているかというとそれは怪しいものであり、特に私のような生物系の自然科学者... ...続きを見る

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2011/11/14 23:03
「宗教を生みだす本能―進化論からみたヒトと信仰」ニコラス・ウェイド
著者は、Nature、Scienceの科学記者を経て、「ニューヨークタイムズ」紙の編集委員となり、現在は同紙の人気科学欄に寄稿しているという経歴を持っている。私は未読であるが、「背信の科学者たち」や「心や意識は脳のどこにあるのか」といった著書がほかに知られている。欧米におけるポピュラーサイエンスの一線の書き手の一人と考えて良いと思われるが、「宗教」に関する欧米知識人の認識傾向や思考の限界をリアルな形で提示している点で、大変興味深かった。タイトルや章立ては「進化論」をはじめとする科学的アプローチと... ...続きを見る

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2011/10/10 22:29
「食卓にあがった放射能」高木仁三郎、渡辺美紀子
福島の原発事故を受けて新装再発された版を購入した。4月に再発行された後、8月に第4刷となっている。著者は東京大学原子核研究所助手、都立大学理学部助教授を務めた後、マックスプランク研究所研究員を経て、「原子力資料情報室」を設立している。全くの認識不足で、これまで著者や原子力資料情報室の活動について、今回の事故を期に初めて知ることになった。著者は多数の著作があるので、これまでもその一部を目にしていた可能性はあるものの手に取ることはなかった。「脱原発の市民科学者」というキャッチフレーズを見て、事故前の... ...続きを見る

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2011/09/25 22:25
一流経済学者の講演における似非科学問題
小さなことの揚げ足取りのように受け取られる可能性はあるが、日本学士院賞受賞者でもある大竹文雄さんの講演内容をwebで読み、あらためて「文系」的な意志決定の問題点について考えてみた。「理系」的な発想の典型が自分の考え方であるとはとても思えないが、違和感を感じる部分が何かを書くことで、考え方が整理できるかもしれない。 ...続きを見る

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2011/09/04 15:15
「生物学的文明論」本川達雄
専門分野ではどういう評価になるのかは分からないが、「ゾウの時間ネズミの時間」はポピュラーサイエンスの優れた著作であり、エネルギーの消費と寿命の関係に関する言及など、結果として最近の生命科学の研究のトレンドを先取りしていたように思う。「ゾウの時間ネズミの時間」ではマクロなエネルギー代謝という指標と、生物のサイズ、寿命と言った問題が取り扱われていたが、最近の生命科学ではまさにそういった問題が分子レベルで注目されており、太く短く、あるいは細く長くという生き方の特徴が詳細に解明されつつある。 ...続きを見る

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2011/09/04 13:59
「未曾有と想定外―東日本大震災に学ぶ」畑村洋太郎
著者は東京大学工学部の名誉教授であり、「失敗学」を提唱し、数多くの関連する著作があり、私もそのいくつかを読んでいる。現在は、畑村創造工学研究所をベースに活動しているが、最近、原発事故調査・検証委員会委員長に任命されたことで一般の人たちにも広く知られるようになった。現在は、科学技術振興機構から自らの研究所のページに移されているが「失敗知識データベース」という試みもユニークなもので、事例を読み、あるいは「失敗まんだら」についての記事を読むことで、「失敗学」の姿勢の一端を知ることができる。 ...続きを見る

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2011/08/04 00:49
「官僚の責任」古賀茂明
「日本中枢の崩壊」から読むべきと思われるが、先に新書版のこちらを手に取った。話題の官僚で、与野党の政治家が著者をサポートしており、経産省の辞職勧奨も今のところは空振りに終わっている。退職官僚や非主流派に追いやられた官僚の著書はこれまでにもたくさんあり、近年では高橋洋一の一連の著書が有名である。非官僚の著作としては、猪瀬直樹の道路問題や長谷川幸洋の一連の著作も非常に情報量が多い。現役官僚は組織の人間なので、著者のような事例は比較的少ない。これらの官僚をテーマにした著作群を抽出すると、官僚の生態とい... ...続きを見る

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2011/07/31 21:27
「科学的とはどういう意味か」森博嗣
Bad Scienceにおける著者のゴールドエイカーにも見られた傾向であるが、「科学」教育を受けた論者の現代社会に対する提言は、近年ますます直接的で、厳しさを増しているように思う。マスコミ的に言えば「現代社会の矛盾」ということになるのだろうが、現代社会の抱える問題点のかなりの部分は「科学」というアプローチを適切に採用すれば、今よりはよい対処ができるはずである。それにも関わらず、社会をリードするべき人たちの多くは「科学」を軽視、あるいは敵視している。社会に対していくばくかでも関心をもち、世の中を良... ...続きを見る

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2011/07/18 23:17
復興構想会議に見られる科学軽視
近現代の科学の急速な発展と、それに伴う社会の変化は、人々の生活レベルを大幅に向上させたが、一方で新たな問題も生じている。この新たな問題の中には、従来の人文科学や宗教が取り扱ってきたような人間の心の問題もあるが、一方で科学の進展が急速すぎたために生じていると思われる問題もある。こうした問題の解決に、従来とは異なる全く新たな思考の枠組みが必要かどうかについては、まだ明瞭な結論はでていない。しかしながら、昨今の出来事の中には、従来の枠組みの中で採用されたアプローチが失敗を重ねていることを伺わせる例が数... ...続きを見る

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2011/07/13 23:22
「科学技術イノベーション政策のための科学」は何を目指しているのか
以前の記事で「政策のための科学」が必要という戦略的想像研究推進事業における考え方に疑問を呈した。「政策のための」科学ではなく、科学において採用されているアプローチを政策決定に活用することが大事という主旨で、具体的には、「政策のための科学」などというよく判らない代物を新たに創り出すのではなく、科学の手法に長けた人材を政策決定に活用することが重要というのが私の考えである。そもそも科学で得られた知識を社会に活用するためのプロセスを「科学」として新たに打ち立てようなどという試みは国際的にも例がないが、そ... ...続きを見る

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2011/07/09 20:29
「水滸伝の世界」高島俊男
水滸伝と言えば、個人的には横山光輝の漫画の印象が強い。何度も読み返したせいか、本書を読んでもそれぞれの豪傑の絵姿が思い浮かぶことには驚いた。著者は在野の中国文学者で、週刊文春の「お言葉ですが・・・」の連載で有名である。「お言葉ですが・・・」の連載を呼んでいた頃は、著者が在野の研究者であるとは知らなかったが、何となくいい意味でも悪い意味でも、先生根性の見え隠れする人物という印象があった。横山版水滸伝の影響下にあるため、素直に著者の解釈を読み進めていけるだろうかと不安があったが、逆に横山版水滸伝はか... ...続きを見る

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2011/06/28 23:06
「デタラメ健康科学―代替療法・製薬産業・メディアのウソ」ベン・ゴールドエイカー
著者は英国国民保健サービス(NHS)に所属する医師(精神科医)で、2003年からガーディアン紙に”Bad Science”というコラムを寄稿している。同名のサイトについては本書を読むまでその存在を知らなかった。同様のテーマを取り扱っている「代替医療のトリック」と比較すると、よりくだけた表現で説明されており、親しみやすい。その分限密な論証という部分は犠牲にされているが、本書が対象とするのはハードなビリーバーの層ではないということであろう。一方、「代替医療のトリック」がマスメディアや代替医療業界、製... ...続きを見る

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2011/06/21 22:32
「知的文章とプレゼンテーション―日本語の場合、英語の場合」黒木登志夫
帯の文句を読むとかなり幅広い対象に向けて書かれた本のように見えるが、実際のところは、自分で英文の論文を執筆する、理系の、特に生命科学を専門とする研究者にとって最も役に立つ内容である。新書であるからタイトルは編集部に責任があるのかもしれないが、これ以外の層の読者にとってはピンとこない箇所もあるだろう。一方で、もう少し適切なタイトルを付けて、専門誌を出す出版社から売り出せば的確に本書を必要とする読者に届くのではないかという印象をもった。このブログの読者であれば一読の価値がある。 ...続きを見る

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2011/06/14 22:41
「会議の政治学」森田朗
国家や自治体のレベルで政治的な意志決定を行うために、有識者を集めて、ある課題について審議会が開催されるということは次第に一般にも知られるようになってきた。官僚が議会に対して説明責任を果たすことが当初の設置の目的であるため、議事録が広く公開されることはなく、そういう審議会が開催され、行政側の提案が妥当なものであることが有識者によって確認されたという合意事実が重視される。委員の名前は公開されるが、種々の理由で誰が何を述べたかは分からないように公開されるケースすらある。審議会という制度に種々の問題点が... ...続きを見る

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2011/06/12 10:28

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