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個人的な読書記録と科学の話題です。過去のメモをもとに書いているときもあります。

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科学者の退廃
科学技術振興機構(JST)の研究開発戦略センター(CRDS)の長はノーベル賞受賞者である野依良治氏である。以下は2016年7月の「持続可能な開発目標(SDGs)と科学技術イノベーション」の基調講演である。 ...続きを見る

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2017/01/13 11:34
「数学の大統一に挑む」 エドワード・フレンケル(青木薫訳)
本書のオリジナルタイトルは”Love and Math”、「愛と数学」である。その所以は最終章を読むとよく理解できるだろう。チューリングやワイルズといった気むずかしいイメージのある数学者と比較すると、著者は、本書のようなポピュラーサイエンスの本や、あるいは一般の人たちに数学の魅力を伝えるべく短編映画まで作ってしまうという点で従来の数学者のイメージからはかけ離れている。本書では、ラングランズ・プログラムという大きく異なる数学の領域をつなげるプロジェクトの魅力が分かりやすく語られる。しかしながら、コ... ...続きを見る

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2016/05/09 23:36
「研究不正―科学者の捏造、改竄、盗用」 黒木登志夫
本書は、科学研究における不正行為を数々の実例を取り上げながら紹介している。取り上げられている領域は、著者の専門性に基づき生命科学、および医学研究中心であるが、インパクトの大きな事例として、考古学(ピルトダウン人事件、旧石器捏造事件)や実験物理学(ベル研究所における研究不正)といった分野にも言及している。実験科学、特に生命科学における研究不正として主要なものは網羅されており、著者が期待するように、本書は研究倫理に関心をもつ人たちがまず手に取る本の一冊になるだろう。著者は、昨今相次いで話題となった巨... ...続きを見る

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2016/05/07 22:26
「昨日までの世界―文明の源流と人類の未来」ジャレド・ダイアモンド
著者は「銃・病原菌・鉄」や「文明崩壊」といった著書で有名な研究者であるが、その取り扱う領域は広大であり、学問の専門化が著しい近年にあってそのパースペクティブの大きさは特筆すべきである。本書はその中でも著者のフィールドワークの世界と近い内容であり、経験談もしばしば登場する。タイトルにもあるが、先進国の人々が現在享受している文明やライフスタイルはそれほど歴史があるものではなく、人類の歴史の中ではごく最近生じたものであることが、様々な事例を通して何度も確認されていく。 ...続きを見る

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2014/09/07 00:21
「背信の科学者たち」ウィリアム・ブロード、ニコラス・ウェイド
本書はしばらく前まではブルーバックスから刊行されていたが、絶版状態であった。理研や分生研、医学部を舞台とした論文捏造事件が相次いで報道された本年、まさにタイムリーな再刊といえるだろう。帯にもあるが、大阪大学の仲野先生が強く推薦したこともweb では話題になった。本書は科学者のミスコンダクトを考える上では類稀な事例集となっているが、一方で平均的な科学者像を社会に広める上では非常に問題の多い著作と言える。トーマス・クーンはその主要な著作「科学革命の構造」によって、科学の社会への適切な受容を何十年と遅... ...続きを見る

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2014/08/26 21:43
小保方問題についての早稲田調査委員会の報告書の説明:研究者の厳しい見方の背景にあるもの
早稲田大学の調査委員会の報告書については多くの研究者と同様、大きな衝撃を受けた。何も書く気が起こらないくらいのインパクトがあったが、酷い酷いと嘆いているのは生産的ではないだろう。過疎ブログであるが、少しでも一般向けに補足説明ができると良いと考えているので、参考にしていただければ幸いである。ここでは既にネットで多数指摘されている、この判断がもたらす大きな影響(「明らかに学位に値しない論文であるが、一旦授与した学位の取り消しはしない」ということを大学が明言することによる学位の価値の低下など)というコ... ...続きを見る

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2014/07/20 22:35
「木を見る西洋人 森を見る東洋人 思考の違いはいかにして生まれるか」リチャード・E・ニスベット
自然科学を研究し、日々西洋人と論文や研究成果をめぐり議論する東洋人にとって本書が取り上げるテーマは極めて身近なものであろう。要素還元的な自然科学の手続きは西洋人にとってはごく自然な思考の方向性であるが、一方で東洋人にとっては一定のエネルギーを注ぐ必要のある意識的な作業である。東洋人の研究スタイルの中には、色々トライしてみて、全体像から仮説を導き、これを検証するというものがあるが、これは西洋人には理解が困難なやり方だろう。遠回りに見えることもあるだろうし、場合によっては頭が悪いと見なされる可能性す... ...続きを見る

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2014/06/07 23:50
「予想通りに不合理」ダン・アリエリー
本書は、行動経済学分野において活発に発信しているダン・アリエリーのおそらく最も有名な著作である。原タイトルはThe Hidden Forces That Shape Our Decisionsであり、古典的な経済学が想定していた「合理的な人間」を否定するだけではなく、人間の判断の不合理さの背後に存在するメカニズムについても議論されている。カーネマンの「ファスト&スロー」とあわせて読むと興味深いが、こちらはユニークな実験内容の紹介を通じて、より実生活にヒントを与えるような書き方になっているところが... ...続きを見る

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2014/05/19 09:36
基礎研究の公共性:STAP事件対応の問題点
王や貴族といった特権階級がパトロン的に支援してきた時代とは異なり(ゲイツ財団はこれを想起させるが)、現代の基礎研究は多くの国民の支援により成立している。統計によって数字は異なるが、自由主義経済を標榜するアメリカですら基礎研究については連邦政府が最大のスポンサーであり、税金抜きの基礎研究はあり得ない。例えば、医薬品開発はメガファーマとよばれる巨大企業が主導するものと一般に考えられているが、創薬のタネの殆どはNIHに支援された研究から生み出されている。基礎研究はすぐには経済的な効果を発揮しないことが... ...続きを見る

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2014/05/11 11:01
生命科学におけるソーカル事件?
今回のSTAP細胞事件は論点が多すぎて、まるで生命科学のかかえる問題点を整理するために生じたかのような印象をもった。科学者と一般社会との乖離がこのような形で表面化した事件はこれまでなかったのではないだろうか。科学者の視点からは、STAP細胞騒動は既に終わっていて、社会的にどのような形で決着が図られるかのみが関心となっている。国会において理研の野依理事長が、「(あなたたちが喧伝した)STAP細胞はあるのか?」と長妻議員に質問され、「あるかどうかは第三者の研究による証明が必要で、理研も引き続き調べる... ...続きを見る

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2014/04/22 00:10
「ガセネッタ・シモネッタ」米原万里
著者は有名なロシア通訳者であるとともに、ユーモアのあるエッセイの作者として多数の作品を世に送り出している。「嘘つきアーニャの真っ赤な真実」は著者がプラハのソビエト学校に居た頃の友人を再訪するという話であるが、否応なく大きな歴史の波にのまれていく個人の人生が見事に描かれている。ユーモアは著者の重要な特質であるが、それにしても本書はタイトルで損をしている。国際的に通じる人材をどのように育成するべきなのか、あるいは国語とはなぜ重要なのかということが、著者の経験をもとに説得力のある議論として提示されてい... ...続きを見る

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2014/01/05 16:49
「福島原発事故 県民健康管理調査の闇」日野行介
本書は、毎日新聞による福島県の県民健康管理調査に関するスクープ記事の背景を、当事者である記者がまとめた記録である。事実が淡々と記述されるため、スクープ記事そのものを超えるインパクトのある情報が含まれているわけではない。結果的に県民に対する背信行為になりかねない行動をどうして県の役人がやるのかという疑問が生じるが、一方で、もともと役人に県民に対する責任など始めからないのではということもいえる。反社会的な大企業に勤務する社員が勤め先の不正を告発する義務があるかといえば、もちろんそんなことはなく、ひと... ...続きを見る

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2013/11/30 11:50
「宇宙はなぜこのような宇宙なのか―人間原理と宇宙論」青木薫
翻訳家として数々の素晴らしい作品を紹介している著者の書き下ろしということで、感謝の気持ちも込めて購入。人間原理をめぐる議論は日本人には些か分かりにくい。西洋人は正負の両面で神の問題から逃れることが難しいために、本書のテーマである人間原理についての議論は複雑な展開を見せるが、日本人にとって多宇宙ビジョンは実は「しっくりくる」説明ではないかと思う。 ...続きを見る

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2013/10/21 23:11
「ファスト&スロー―あなたの意思はどのように決まるか?」ダニエル・カーネマン
生物としての特性をもつヒトと、社会的な存在である人間との間の齟齬は、科学的な研究の対象として極めて興味深いテーマであるとともに、これからの社会をどう良くしていくかを考える上での大きなヒントとなるテーマである。本書はそうしたことを考える上での入門となる名著といえるだろう。 ...続きを見る

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2013/09/29 09:55
「科学嫌いが日本を滅ぼす―「ネイチャー」「サイエンス」に何を学ぶか」竹内薫
本書は新潮45の連載原稿をもとに加筆修正されたものとのことであるが、単行本化にあたり順序の入れ替え等の編集が施されているため、各項目は比較的まとまった内容の論説になっている。出版社と科学者の間のジレンマの一つは、その本をどう売るかという方向から生じる問題であり、著者の意図しないタイトルが付けられることや、あるいは帯でミスリーディングが与えられることは日常茶飯事である。それにしても著者の作品はきわどいタイトルが多く、著者が科学の応援団を自称する一方で、科学に対する誤解やあるいは攻撃のきっかけを与え... ...続きを見る

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2013/09/14 23:07
「サイエンティフィック・リテラシー―科学技術リスクを考える」廣野喜幸
タイトルはむしろ副題の方が良く内容を表していて、筆者も本文中で述べているようにリスク論入門として読むとしっくりくる。科学リテラシーというと必ずしもリスク論にとどまらないので、これは出版社のミスリーディングかもしれない。帯には「いかに科学の知識・教養を身に付け、集めた科学情報からいかに物事の本質を見ぬけばいいのか?」とあるが、新書であればいざ知らず、落ち着いた出版社がするような手ではないだろう。 ...続きを見る

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2013/09/01 21:59
「東大理系教授が考える道徳のメカニズム」鄭 雄一
タイトルは出版社のアイデアなのかもしれないが、人文系の学者への配慮が逆効果をあげているようで、むしろ目を引くことになっている。著者は東京大学医学部出身で研究の展開により現在のポジションにいらっしゃるようなので、一般の方が「理系教授」として思い浮かべる人物像とはあるいは異なっているような気もする。本書は「人殺しはどうしていけないのか」という古くから取り上げられてきた哲学的な問いについて、自らの子どもたちを相手に分かりやすく議論するという内容である。理系らしさというのは議論の展開の方法に特に表れてい... ...続きを見る

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2013/08/14 00:22
「教室内(スクール)カースト」鈴木翔
学校の様子は子どもたちから伝え聞く程度であり、都市と地方ではある程度構図も異なることが予想されるが、最近の学校はどうなっているのだろうという関心で手に取ってみた。古市憲寿さんの著作のように本田由紀さんの解説付きである。大学院生としての研究が母体となった新書であるが、学術的にシャープな記述は抑えられている。アンケートやその統計学的な処理、そしてそれらに対する解釈といった手続きについては大幅に割愛されており、読者は筆者のコメントを何となく信じながら読み進めるしかないところに些かもどかしい印象をもった... ...続きを見る

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2013/07/21 11:01
「足利義政と銀閣寺」ドナルド・キーン
現代の日本人と連続性がある時代、例えばそれは現代人がその時代に放り込まれたとしてどの程度違和感を感じるかという意味であるが、それは東山文化以降というのが歴史家の間ではおおよそのコンセンサスらしい。確かに慈照寺(銀閣寺)を訪れる日本人の多くはそのたたずまいに懐かしさを感じるだろう。本書は、応仁の乱の原因となり政治家としては最低ランクの評価を受けている足利義政こそが、現代に続く日本文化のイニシエーターの一人として極めて重要な役割を担ったことを分かりやすく紹介している。明の影響のもとにあった絵画や漢詩... ...続きを見る

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2013/07/07 22:15
「武器としての決断思考」瀧本哲史
2012年のジュンク堂本店売上1位という帯にひかれて購入(なお2, 3位はワンピースらしい)。決断思考というタイトルから、決断に至るロジックについて書かれた本ではないかと想像したが、読んでみると主な内容はディベートについてのものであった。著者は東大法学部を卒業後、直ちに助手となり、その後マッキンゼーに転職、3年後に独立という経歴で、現在の肩書きは「京都大学客員准教授、エンジェル投資家」とのことである。この10年くらいで目立つ知的エリートのキャリアの典型の一つである。京大の担当講義は大変な人気講義... ...続きを見る

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2013/06/30 16:19
「知の逆転」吉成真由美編
本書はサイエンスライターである吉成真由美さんが、ジャレド・ダイアモンド、ノーム・チョムスキー、オリバー・サックス、マービン・ミンスキー、トム・レイトン、ジェームズ・ワトソンという錚々たる顔ぶれにインタビューした内容をまとめたものである。現代最高の知性にある程度共通した問題意識をぶつけていくという構成上、個々の人物に関心の深い読者にはあっさりした印象を与えるかもしれない。一方で、西洋文明の発展の現状を俯瞰する上では、貴重なインタビュー集になっている。 ...続きを見る

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2013/06/22 17:55
「これから「正義」の話をしよう―いまを生き延びるための哲学」マイケル・サンデル
メディアミックス的な盛り上がりで大いに話題になったサンデル教授の著作をKindle本で発見して購入した。NHKで取り上げられ有名になった講義スタイルは、国内でも真似をする教員が後を絶たず、学生にとっては大いに迷惑であったに違いない。基本的に討議スタイルで講義を行うためには、受講者も相当なインプットが必要とされるとともに、講師はさらにそれを上回る知識と十分な考察をもって授業に臨む必要がある。また、時間内に何らかの考察に耐える結論を引き出すためには、どのような議論の展開があるかという予測ができていな... ...続きを見る

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2013/03/20 17:29
「日本人の人生観」山本七平
司馬遼太郎の日本人論は、著者があるべきと考える日本人像が多分に投影されていて、日本人のこれまでの営みとはどんなものであったかを考える上ではバイアスが大きい。読者である日本人には心地よいところもあるが、しばしば大きな錯覚を招く。山本七平の著作には批判も多いようであるが、戦争を挟んで日本人において何が変わらなかったかを考察する本書の指摘には参考になるものがたくさんあった。 ...続きを見る

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2013/03/03 21:55
「統計学が最強の学問である」西内啓(Kindle版)
統計学の成果は様々なwebサービスで活用されており、Googleやマイクロソフト、AmazonといったIT企業が近年、注力していることはよく知られている。IBMがSPSSを買収した事件も当時はいろいろ議論があったようであるが、現在、その判断について疑問を挟む人は少ないだろう。一方、国内で統計学がどのような取り扱いを受けているかを振り返ると、世界的に見てとりわけ日本において大きな認識不足があるように思われる。マーケティングのような分野ではその有用性が認識され始めているようであるが、本来の統計学の力... ...続きを見る

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2013/02/18 23:47
「ノモンハンの夏」半藤一利
第二次大戦前の満州国とモンゴル人民共和国の国境紛争であるノモンハン事件は、実質的には関東軍とソ連軍との局地戦であり、兵站の重要性の認識が勝敗を決したと考えられている。本書は司馬遼太郎と共に取材をした著者が執筆したもので、戦争そのものの描写はごく控えめであるが、関東軍及び陸軍の高級将校達が状況をどのように認識し、実際にどのように行動したかについては日記等の資料や存命者への取材をもとに細かく描かれている。当時のエリートの限界という見方もできるのかもしれないが、本質的な指導者の問題点そのものは現在もな... ...続きを見る

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2013/01/31 22:32
「科学的とはどういうことか」板倉聖宣
本書は朝日新聞社の教育雑誌に連載されていた原稿がもとになって編集されたとのことで、1977年以来68,000部が刊行されている。何となく挿絵に見覚えがあるような気もするので、これまでにどこかで記事を読んでいたのかもしれない。本書は学校図書館協議会選定の必読図書(高等学校向け)に指定されているそうであるが、仮説社というところから出版されており、一般の書店で見かけることは少ない。仮説社はホームページをご覧いただければよく分かるが、本書に見られる「やってみよう」指向の「科学」にふれる機会を提供している... ...続きを見る

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2013/01/19 23:06
「数学で生命の謎を解く」イアン・スチュアート
本書の帯には「最新の研究成果を通して明らかにする21世紀数学の最前線」という惹句があるが、実際に読んでみるとそういう内容ではなかった。Amazonで見つけて購入したが、書店で手に取っていればもしかしたら帯と内容の違いに気がつけたかもしれない。生物学において活用されている数学とはどのようなものか、またその理論や背景が理解できると良いなという期待があったが、本書はむしろ逆で、「数学者が理解した現代生物学の紹介」という評価がより適切だろう。出だしのフィボナッチ数と植物、あるいは黄金比の誤解などの記事は... ...続きを見る

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2012/12/28 21:30
自滅する生命科学:研究資金配分が誘導する研究コミュニティの崩壊
山中先生のノーベル賞受賞とほぼ同時に起こったiPS細胞をテーマにした森口さんの事件は、興味本位の話題を新聞やテレビに大量に提供してしまったために、iPS細胞という研究成果が社会に与えるインパクトや課題についての議論を置き去りにしてしまった。当人のキャラクターがあまりにテレビ向きで面白かったことが関心を引いているようであるが、既に明らかになった情報からだけでも相当大きな問題が隠れているように思える。自然科学研究へ社会がどのように投資していくかという問題は、次世代の人々の生活を良い方向で変えていく上... ...続きを見る

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2012/11/12 06:54
「適正技術と代替社会―インドネシアでの実践から」田中 直
著者は東京大学工学部卒業後、石油会社で精製プロセスの業務に関わる傍らインドネシアでの国際協力活動に参加し、その後設立されたNGOでは最終的には石油会社を退職して専従として、本書で取り上げられる適正技術の開発に取り組んできた。「適正技術」とは何だろうと考えて本書を手に取ったが、こうした考え方は人類の将来を考える上で大変重要なコンセプトであると同時に、単なる理想論としてではなく間もなく現実的な課題になっていくのではないかと感じた。 ...続きを見る

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2012/11/12 06:30
「主体性は教えられるか」岩田健太郎
「バイオテロと医師たち」の最上丈二が本書の著者であることは後に知ったが、若手が新書を書くことのリスクは医学部の場合はより大きいのかもしれない。神戸大学の教授としてポジションが確立されてからは、本名で数多くの著作が出版されている。デビュー作から相当幅広い関心をもった医師であることは伺えたのであるが、次第に著作の内容も自由度が上がっているようである。「予防接種は効くのか?」は非常に興味深く読んだが、本書は語りの洒脱さとは裏腹に読み進めるのがつらいところもあった。「科学者の養老化」とでもいえば良いのだ... ...続きを見る

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2012/10/20 23:05

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