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zoom RSS 「人を見抜く技術‐20年間無敗、伝説の雀鬼の「人間観察力」」桜井章一

<<   作成日時 : 2009/04/01 23:27   >>

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本書の著者である桜井章一は、私の世代で麻雀をするものであれば知らないものはいないのではないかという有名人である。もう少し世代が上であれば、阿佐田哲也(色川武大)が麻雀の神様ということになるだろうが、阿佐田哲也がどこか無頼を絵に描いたような、少々ロマンティックなところがあるのに比して、桜井章一はもう少しクールな印象が強い。阿佐田哲也が負け犬的なメンタリティに対してどこか同情的である(自身の人生に重ね合わせられることもある)のに対して、桜井章一は駄目な人間には駄目になる要因があるという切り口であくまで厳しかったような覚えがある。「近代麻雀」を愛読書として大学生活を送った人間であれば、必ずといっていいほど著者のコラムを読んでいるはずである。勝負事には性格が出るということは当時も知識としては知っていたが、実際の打牌の記録を素材に「弱い心」や「まっすぐな心」といったことに言及する著者のコラムは異色のものであり、私も含め若い読者は大いに影響を受けたように思う。とつげき東北という覆面著者の「科学する麻雀」は、シミレーションによる麻雀の理解という方向性で興味深い著作であるが、人間同士が勝負をする以上、著者の重視する人間としての姿勢のようなものからは逃れることはできないだろう。一流投手が勝負所で魅入られたようにど真ん中に投げてしまうような落とし穴が現実の勝負では必ず表れ、それを克服するもののみが勝者となる。所謂伝説の人物である桜井章一は本書でも「近代麻雀」当時と同様、縦横無尽に語るが、当時と比べると電車の中で居眠りをするようになったという本人の述懐通り、少し優しい語り口である。

印象に残った箇所を引用してみると、「人生を見透す技術」にある「夢や希望がなくとも生きられる」という言葉は深い。人間の「生」にはそうしたものは関係ないし、実際そうしたものはごまかしであることが多いという記述は、相変わらずの著者らしい鋭い指摘だと思う。「自分を売る人は格好悪い」というのも重要な指摘だろう。巻頭にある「癖」の問題は著者が幾度も指摘するものであり、自らの「癖」を知り、ここからどの程度自由になれるかが重要な問題とされる。「癖」仕草だけではなく、考え方(固定観念)も含まれる。よく言われる「自然体」とはどういうことかを考える上でも重要なキーワードである。

本書に限らないが、著者の語り口には柔軟性があることも魅力である。厳しい指摘があるからここは絶対守るべき項目なんだなと思って読んでいると、逆にこだわってはいけないと書かれていたり、一般的な自己啓発本に見られるような教条主義はここにはない。著者の教えはなかなか厳しいのであるが、よし自分もやってみようと思わせる、ポジティブな意思の力を感じさせるところもファンが多い理由と思われる。巻末の著者紹介で、結構たくさんの自己啓発系の本を出していることに驚かされたが、おそらく本書と同様の口述筆記的なものと思われる。エッセンスはこの20年以上普遍であるので、どれを手に取って読むことも可だろう。

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