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zoom RSS 「新書アフリカ史」宮本正興、松田素二編

<<   作成日時 : 2009/01/19 23:25   >>

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サックスの「貧困の終焉」から、アフリカの状況に関心をもったものの、やはり世界の他の地域と比べて圧倒的に知識が不足していることに気づいた。そこで、最近発売された本書を読んでみることにした。複数の専門家による著述がまとめられており、スタイルが少しずつ異なるため、通史として読んでいこうとすると少々戸惑う部分もある。しかしながら、従来の白人史観から解放された「ニューヒストリー」という立場は全体を通して貫かれている。スワヒリ語の成立過程や、ネイションビルディングの概念など、アフリカに関係のある人には当然のことかもしれないが、初めて知ったこともたくさんあった。ネイションビルディングの名のもと、一方の民族が他方を抑圧したり、あるいは近代化の過程で留学した知識層が、白人史観に基づいて国の運営を誤ってしまったりする皮肉なアフリカの状況も良く描かれている。サックスの著書にもあったが、貧困は決して指導者の無能や汚職の広がりのせいではなく、むしろアフリカの各国が半強制的に取り組まされた仕組みの中に原因があるようである。

「ニューヒストリー」であっても、やはり従来の白人史観と極めて近い記述もしばしば見られ、私たちが押しつけられているアフリカへのステレオタイプは非常に強い影響があることがよく判る。白人の不在による国の混乱を為政者の責任にしては身もふたもないが、どうしてそのような経済的な失敗が訪れるのかはしっかりとその原因を究明しておく必要があるだろう。また、原人レベルの化石的な記録の後には、資料のないブランクが存在し、その後突然植民地経営の入り口の話になってしまっている地域も数多い。一方で、サハラ以南が本書の扱うアフリカ史であるが、サハラ砂漠があたかも海のように、ラクダ交易の中心であり、サハラ砂漠の周辺の都市は港として機能していたという解釈はあっと驚かされるものであった。

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