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zoom RSS 「東大で教えた社会人学」草間俊介・畑村洋太郎

<<   作成日時 : 2008/04/16 22:23   >>

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「失敗学」や数学本で有名な畑村洋太郎が、機械工学科を卒業後ユニークな経歴を辿り現在税理士でもある草間俊介とコラボレートした講義の内容を起こしたものである。「この本のなりたち」から引用すると、

本書は東京大学工学部機械系三学科で行われてきた講座、「産業総論」の講義内容に基づいて、人が実社会の中で生きていくために必要な基礎知識を大学の講義形式で取りまとめた「社会人学」のテキストである。

エンジニアにおける「働くことの意義」から生活設計に至るまで(結婚や離婚、年金までが話題である)少々唖然とさせられる内容で、これが大学の講義であることにさらに驚かされる。しかしながら、何故驚き、唖然としたのかを少し考えてみる。

二人とも工学部出身であり、きわめてロジカルに歯切れ良く結論が語られている。その結論も決して独りよがりではないことを保証するためのデータまで揃えられている。あまりに身も蓋もない表現も随所に見られ、もう少し若者は曖昧模糊としたロマンを持っている方がいいのではと感じるほどである。とにかく戦略的な考え方が貫かれており、無駄のない指南書といえる。

一方で、20歳そこそこの若者がこれだけかちっとまとまったものを講義されて、どの程度理解できるのかという素朴な疑問もある。自分の体験としても、言葉の力は弱い。所詮、その場所まで来て周りを眺めなければ何が起こったのかも分からないのが人間というものなのでは?という疑いもある。しかしながら、著者たちがそうした批判に無自覚であるとはとても思えない。つまり、最初の部分にあるようにエンジニアが偉くなることを通じて、社会を改革していこうというのが著者の真の狙いであろう。

もう一点は、寄らば大樹ではないが、こうしたユニークな講義がある東大の懐に感心する。全く持ってお節介としかいいようのない内容の科目であり、今までであれば実体験の中で痛い目にあいながら身につけたことを、効率よく無傷で手に入れようという試みである。どれだけ聴講者の身になるかは分からないが、少しでも愚かな選択をする人間が減るようにという著者らの試みは、大真面目であるとともに、どこかおかしみがある。親戚のおじさんから聞くような話が講義録になっているからだろうか?

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