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zoom RSS 「裁判員制度の正体」西野喜一

<<   作成日時 : 2008/01/04 23:23   >>

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著者は元判事で現在は大学教授を務めている。いかなる著書も著者の立場を考慮しなければ、本当の意味や価値は見えてこないように思うが、本書はその点で誠に明快である。裁判員制度の成立の経緯から説き起こし、実際に想定される運用、そして裁判員逃れの方法に至るまで、著者の立場は裁判員制度は稀代の悪法であり決して実施してはならないという方向で一貫している。ここまで態度を明瞭にして書くことは、むしろ著者の意図を損ねるのではと気になるほどの叙述が至る所に認められるが、読み進めるにつれ納得させられる。むしろ、これほど問題の多い制度でうまく運営できるのだろうかという不安が強まるばかりであった。

著者は陪審制へのあこがれを持ち強行に裁判員制度を推進した委員の名前を明示していないが、個人的にはこの制度を強硬に推し進めた人たちの思考回路に関心がもたれた。最終的には議論の末、陪審制ではなく参審制が採用されているのであるが、民主主義に対する盲目的な(といって差し支えがないと思われる)信奉の根源には何があるのだろうか。アメリカでは愚かな国民による愚かな判断に対してそれを引き受ける下地があるように思われるが、日本の場合はそうはいかないような気がする。それとも、「世間」を配慮して判決しなければならない裁判官側のストレスから生まれたアイデアなのだろうか。この本の役割ではないが、どのような背景、どのような立場の人がどんな意見を述べたかという検証があれば読んでみたい。

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